ゆるしと慈しみのもとに歩む
― 2025年 通常聖年を迎えて ―
フランシスコ・サビエル 外川 直見神父
今年クリスマスの前日に、バチカンの聖ペトロ大聖堂の聖なる扉が開かれ、2025年の聖年の開始が告げられます。次の日曜日、29日は世界中の教会はこの聖年の開始を祝います。ところで、聖年とは何かご存じですか。
聖年をヨベルの年とも言います。起源は旧約時代です。レビ記25章によれば、「7年ごとに来る安息年、その7回、すなわち49年過ぎた年、雄羊の角笛(ヨベル)を国中に鳴り響かせる。この50年目を聖別し、全住民に解放の宣言をする。それがヨベルの年である。」とあります。例えば、何かの事情で土地を手放すことになった人には、ヨベルの年に手放した土地が返還されます。土地も他の持ち物も、もとは神のものだからです。神の慈しみとゆるしのうちに元の状態に戻されるのがヨベルの年の精神です。
カトリック教会で、聖年として甦ったのが1300年からで、50年ごとに、のちに25年ごとに祝われることになりました。この聖年の期間中「免償」の恵みを受けます。「免償」とは何でしょうか。「罪のゆるし」とは違います。罪は思い、ことば、行い、怠りによって神の御心に背くことです。その「罪のゆるし」は罪を心から痛悔し、秘跡にあずかり、キリストのあがないを通して、ゆるしを神から与えられる無償の恵みです。しかし、罪のゆるしが与えられた後も、人間の内面外面に罪による傷跡が残ります。それで、罪が赦されることと罪による影響などが清められるのとは違うのです。人にひどい悪口を言った場合、ゆるしの秘跡でその罪は赦されても、その人を深く傷つけた結果は残ります。謝罪してその人と和解するというつぐないが残ります。「免償」はその傷の償いです。それを受けるために、ゆるしの秘跡、ミサでの聖体拝領、聖なる巡礼、慈善やつぐないの業などの実践が求められています。罪のゆるし、傷跡の清めを黙想しましょう。
キリシタン時代、教会の状態や迫害などの詳細な報告がバチカンに届きました。教皇をはじめ教会は日本の教会のために祈ってくれました。そして、教皇ウルバヌス8世は1623年の聖年を前倒しして、日本のキリシタンたちに心のこもった励ましの手紙と聖年に伴う「免償」の恵みを送ってくださいました。教皇の手紙は日本語に数部翻訳され、日本各地のキリシタンにひそかに送られました。迫害の中のキリシタンたちはどれほど感激したでしょうか。各地でキリシタンの代表者たちが連名で感謝の手紙を書き、教皇に送りました。私は岩手県の水沢教会でキリシタン武将後藤壽庵はじめ17名の手紙の写しを見ました。その写真です。
山口教会の坂を上がったところに平和の鐘があります。2000年の大聖年を記念してローマで鋳造され、7大陸にひとつずつ贈られた鐘です。ヨベルの年、聖年に込められた神の恵みを祈りましょう
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼記 (その1)
マリア 川岡淳子
9月11日、私は主人と従妹と共に長年の夢であったサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼に向けて出発した。その様子を2回にわたってお伝えしたいと思う。
サンティアゴ・デ・コンポステーラはスペイン北西部ガリシア州にあり、エルサレム、ローマと並ぶキリスト教3大聖地の1つで、イエスの死後、ヘロデ王に迫害され使徒中最初の殉教者となった聖ヤコブが祀られている。ヤコブの弟子が彼の遺骸を舟に乗せ風の向くまま辿り着いたのがガリシアの海岸。亡骸は行方不明になっていたがこの地の洞窟の中で偶然発見され教会が建てられた。
巡礼路はいくつかあり今回私たちはポルトガルの道を歩いた。
スタートはポルトガルの第2の都市ポルトにあるカテドラルから。巡礼手帳に最初のスタンプを押してもらい、いよいよ巡礼が始まることを実感。交通量が多い市内を避け電車で少し離れた町へ移動。朝8時頃だったが人影はなく、巡礼道を示す矢印も見当たらず、早速地図を確認しつつ歩き始める。すると前方に私達と同様に大きなバックパックを背負った巡礼者を発見。この道で間違いないことにホッとする。
道はずっと石畳。大小様々な形の石が敷き詰められていて足裏にゴツゴツ感を感じる。道標の黄色の矢印に導かれて歩いていくと景色が次々と変わっていく。これも巡礼の楽しみ。静かな街の中を通り、迷路のような細い住宅路地を抜け暫く行くと、広いとうもろこし畑に出た。ふと見上げると雲一つない真っ青な広い空。そこに近くの空港を発着する飛行機が飛行機雲を描く。それが交差して空に大きな十字架が現れる。神様に包まれている感じ。神様ありがとう。
さらに道は林を通って森の中へ。暑さで火照った体に木々のトンネルからそよぐ風が当たり気持ちよい。空気はカラッと澄みきっていて体が凛とする。このような国から宣教のため航海に出たサビエルはどんな熱い心を持っていたのだろうかとふと思う。
アップダウンの道が続き疲れも感じるが、山越えの歩道には針葉樹や広葉樹の枯れ葉が厚く溜まっており、踏むとふわふわとしていて自然のクッションのようで足への負担を軽くしてくれる。
通過する町には立派な石造りの教会がある。昔は巡礼者の休憩所とされていたとか。でも現在は残念ながら鍵が掛かっていて入れない。信徒の減少で神父が常駐しておらず、盗人防止のためという。しかし隣接している墓地には参る人が多く、亡き家族の石碑には色とりどりの花が飾られていて、まるでお花畑のようだった。
午後2時、10㎞過ぎたころからその日のアルベルゲ(巡礼者専用の簡易宿泊所)を探す。しかし頼りの宿が閉館していたり、違う施設になっていたり。困っている私達にウクライナの女性が親切に宿を紹介してくれ無事に泊まることができた日もあった。
宿に着いたらまずシャワーと洗濯。夕食は近くのレストランか、スーパーで買った食材を食堂で食べる。そして翌日の目標を決めて就寝。2段ベッドに持参した寝袋で休む。多国籍、男女分けもなく寝る場所が順々に埋まっていく静かな夜。
6時ごろ起床。 朝食を軽く食べ身支度をして出発。
巡礼の前半に従妹が足の痛みで途中リタイア。後半からは彼女が次の目的地まで車で先回りして宿を予約する任務に変更。そのお陰で私達は宿探しをせず安心して歩くことができた。黄色の矢印は分かれ道、曲がり角などには必ずあるから迷子になることはない。車の通らない安全な道が巡礼路になっているようで周りの景色を楽しめた。それでも時々交通量の多い道を渡るときは緊張した。横断歩道がある所では車は必ず止まってくれ巡礼者に大変親切だった。 (つづく)
今年もクリスマスコンサート
マリア 石川純子
11月24日日曜日、第35回防府カトリック教会クリスマスチャリティコンサートが開かれました。今年のご出演は、防府音楽祭の音楽監督としてもご活躍の世界的チェロ奏者、田中雅弘さんと、ピア二ストの喜多村裕美さんのお二人でした。
コンサートの準備は、手分けしてのチケットの販売と、ミニバザーのためのポルボロン作りから始まります。朝、香ばしい香りの中、あれこれと会話しながら作業をしているのは、とても防府教会らしい感じがしました。こうして受け継がれてきたポルボロンの味を、これからも伝承していきたいと思いました。
当日は稀に見るほどのお客さんの入りで、お御堂が信者さん、未信者さんでいっぱいなことが、なんて素晴らしいのだろうと感激しました。観光名所のお寺や神社のように、世俗と違う空気を吸える場所、防府のパワースポットとして、もっと市民の皆さんに気軽に立ち寄ってもらえる場所になれたらと思いました。
聖書朗読、外川神父さまのご挨拶と続き、コンサートが始まりました。滑らかな音色、飽きさせない選曲、巧みな話術、どれをとっても素晴らしいコンサートでした。ジョン・レノンの「ハッピークリスマス」では、「クリスマスソングは反戦曲。平和な日常が穏やかにいつまでも続いていくことを望んで、フェードアウトしていくんです」とのコメントが印象的でした。アンコールは「花が咲く」。東日本大震災被災地へ支援に行かれた時に、何度も弾かれた思い出の曲だそうです。数人の方が音楽に合わせて身体を揺らしておられて、心をほぐす音楽の力強さを感じました。
松元姉弟の花束贈呈、鳴り止まない拍手の中、コンサートは幕を閉じました。終演後、会館でミニバザーと茶話会が開かれ、とても和やかな雰囲気でした。八木先生始め、関わってくださった全ての方、神さまに感謝です。
待降節とクリスマスの案内
☆待降節黙想会 12月22日(日)
指導司祭 越智直樹神父 (イエズス会)
予定 ミサ 9:30~
☆ゆるしの秘跡
待降節中、毎週土曜日のミサ前後、ゆるしの秘跡に与ることができます。その他の時間は、司祭に直接お申し込みください。
☆☆クリスマスミサ☆☆
12月24日(火) 主の降誕夜半のミサ 18:30
ろうそく行列
ミサ後お祝い会
12月25日(水) 主の降誕中のミサ 9:30
ミサ後茶話会
行事予定
12/ 1(日) 待降節第1主日 ミサ9:30
12/ 8(日) 待降節第2主日 ミサ9:30
12/14(土) 教会委員会 ミサ後
12/15(日) 待降節第3主日 ミサ9:30
12/21(土) 街頭募金 12:30~14:30
12/22(日) 待降節第4主日 ミサ9:30
待降節黙想会
12/24(火) 主の降誕夜半のミサ 18:30
12/25(水) 主の降誕日中のミサ 9:30
教会学校クリスマスミサ14:00
12/29(日) 聖年開始ミサ 9:30
12/31(火) 感謝のミサ 9:30
1/ 1(水) 神の母聖マリアミサ11:00
お 知 ら せ
◆聖具磨き 12/15(日)
クリスマスを迎える準備として、聖具磨きをいたします。お手伝いをよろしくお願いいたします。
◆街頭募金 12/21(土)
場 所:防府駅港口「であいの広場」
時 間:12:30~13:30 暁の星幼稚園
13:30~14:30 教会学校
支援先:東チモール聖イグナチオ学園
*ご協力をお願いします。
◆釜ヶ崎越冬支援
支援物資は22日までに神父館へお持ちください。寄付金や送料の寄付も助かります。
命 日
主よ、永遠の安息を彼らにお与えください
1日 | 12年目 | アグネス | 道家 真理子 |
2日 | 15年目 | マリア | 中野 スミエ |
4日 | 9年目 | Sr.ルルデス | パロマス |
4日 | 41年目 | フランシスコ・サビエル | 神徳 達也 |
9日 | 46年目 | 松本 静江 | |
13日 | 12年目 | クララ | 杉山 邦子 |
16日 | 30年目 | ヨセフ | 藤井 洋 |
19日 | 3年目 | ミカエル | 安達 茂 |
19日 | 5年目 | ロランド・フェリッペ | 松崎 忠義 |
22日 | 33年目 | 石村 時一 | |
24日 | 23年目 | マリア・セシリア | 徳久 静枝 |
26日 | 47年目 | マリア・アスンタ | 毛利 誠子 |
30日 | 1年目 | ヨセフ | 松崎 孝志 |