
外川家のキリスト・イエスとの出会い
フランシスコサビエル 外川直見神父
父は明治の末期、三重県の真ん中、田んぼの真ん中に誕生した。祖父は近くの廃寺に立派なご本尊を寄進したというから、熱心な浄土真宗の門徒だったのだろう。しかし、父は男八人の末っ子、それもその上の兄と10歳も年齢が違うということもあり、家の環境にはあまりなじまなかったのだろう。旧制高校の入学を機に上京し、新渡戸稲造や矢内原忠雄など、無教会派の教会に出入りして、教会学校のリーダーの一人になっていたようである。またその間に無教会派の洗礼を受けていた。母は父との結婚式を機会に父に合わせて無教会派の洗礼を受けており、その後生まれた3人の子供たちは近くのキリスト教の幼稚園に通っていた。
私は小学校3年のとき、何の病気だったのか、長く病気にかかった。聖書の勉強を教えてくれたシスターが心配をしてくれて、1949年聖フランシスコ・ザビエルの聖遺物来日の記念に合わせて、ノベナの祈りをして上げるから、病気が治って洗礼受けることになったら、洗礼の霊名を聖人からいただきましょうとのことになっていた。それで、病気が癒されて、聖人の霊名を洗礼名としていただいたのである。
その後、両親が色々と相談していたが、子供たちにも話を持ちかけてきた。母方の実家はキリスト教ではなかったので、特に祖母の改心のために、毎夕食の後にロザリオの祈りを1連聖母マリアの取次ぎを願って祈ることになった。夕食の後母が先唱していたが、父が夕食に早く帰ってきたときには、父が先唱の祈りを行っていた。皆祖母のために熱心に祈っていた。
そのうちに、子供たちの業が緩んできた。母の信仰は変わらなかったし、父も帰って来た時に熱心にロザリオの祈りに参加していた。3人の子供たちのうち、特に私の信仰が緩んできた。夕食が終わると一人ソファーに座り込み、新聞を広げた。母は寂しかっただろうと思う。しかし、教会の主任司祭や学校の校長神父に相談して霊的な力を受けていたのだと思う。祖母はそのうちに体力が落ち緑内障にもなって眼が見えなくなってきた。母が久しぶりに祖母を訪問したときにロザリオを数珠と違えたのか、手のそばにロザリオがおかれていた。それは祖母から母へのひそかな信仰のメッセージであったのかもしれない。祖母の私たちの信仰に対する温かさは深いものになってきていた。
同時に孫で私の司祭職に対する好意も深いものになってきていた。
今の私の司祭職への歩みには、両親の聖母マリアへの祈りがあり、また、祖母が両親の信仰に包まれた心があったのだろう。私たちの信仰はどれほど多くの人たちの祈りと信仰にさえられて歩み続けてきたのだろうか。
初めてのイタリアでの聖なる巡礼
マリア 川岡淳子
今夏「大西神父様と行く希望の巡礼」(8/29~9/7)でイタリアへ聖年巡礼に参りました。目的は25年に一度開けられる4つの聖なる扉を通り、ミサに与り、免償の恵みをいただくことです。
始まりはローマ。最初に聖パウロ教会の聖なる扉へ。扉の両側には守衛が常駐、写真も不可、少し緊張して通ります。しかし踏み込んだそこには高い天井の広くて大きな聖堂。堂内にはキリストを中心とした聖人たちのモザイク画がびっしり。壁には聖ペテロから4月にご逝去されたフランシスコまで歴代の教皇様の肖像画が飾られています。(レオ14世は未完成)ここで巡礼最初のミサを捧げます。昔の背面式ミサでした。
次はサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ教会。洗礼者ヨハネと福音記者ヨハネに捧げられた教会で、ローマの司教座聖堂。聖なる扉には十字架につけられたイエスと幼子を抱いたマリアの像。堂内のモザイク画も素晴らしかったですが、白、赤、緑などの色大理石を幾何学模様に組み合わせた床が印象的でした。
さらにサンタ・マリア・マッジョーレ教会へ。フランシスコ前教皇様の墓があり、墓前には教皇様に祈りを捧げる人々の絶え間ない長い行列。墓石には御本人の希望通り、教皇名だけがラテン語で刻まれており白いバラ一輪だけが慎ましく置かれていました。
2日目はサン・ピエトロ大聖堂。巡礼出発地点には世界中から集って来た巡礼団がスタートを待っています。そこから大聖堂に向かって約1㎞を今年のシンボルマークが入った十字架を持って歩きます。私達も皆で聖年の祈りを唱えながら、1人ずつ順に十字架を掲げて歩きました。大聖堂に到着し聖なる扉を通った後は主日のミサ。大西神父様も加わり約50名の神父様方の共同司式でした。聖体拝領後はレオ14世教皇様のアンジェラスの祝福を受けるため外の広場へ即移動。既に多くの人で大混雑。背の低い私は押されながら顔は上にあげ、少しでも教皇様が出られる窓に近づこうと足を動かしますが、周りの「アバンテ!アバンテ!」(イタリア語で前へ、前への意味)と叫ぶ集団に巻き込まれ体が動きません。そのうちウオー!という歓声が!教皇様がお出ましになったのです。遥か遠くでしたが白のカソック姿の教皇様が確かに見えました。メッセージを語られる穏やかな声とお姿に心はじんわり熱くなり、その場にいた世界の人々と喜びを共にして胸が一杯になりました。
昼食は大聖堂に隣接するサンマルタ館にあるフランシスコ教皇様のレストラン。コンクラーベの時は枢機卿様方の宿泊所として使われました。教皇様は豪華な部屋ではなく、この館の質素な部屋で生活されていました。毎日祈っておられた聖堂へも訪問。横窓の外には道行のレリーフがあり、そこから柔らかな光が差し込んでいました。亡くなられた直後は、まずここに運ばれ眠られていたそうです。
自由時間に私達はクーポラを見学。クーポラとは大聖堂のドーム部分のこと。ここを登ると内側の壁画が間近に見られ、堂内全体の荘厳さも見下ろすことが出来ます。途中からは細い階段320段をひたすら登ります。万一疲れたと思っても後戻りできない一方通行。壁が円錐状で斜めになっているので、足元に注意して下ばかり見ていると、目が回って車酔いの気分。それでも上へ上へとめざしてクーポラの外に出た瞬間、360度バチカンの絶景がグッと目に飛び込んできました。サンピエトロ広場が一望でき、バチカン庭園、システィーナ礼拝堂も眺められ、その素晴らしさに感動しました。
こうしてバチカン巡礼を終え、翌日はいよいよ聖フランシスコの生誕地、アッシジへ。(つづく)
山中神父様と共に聖書を学ぶ
フランシスカ・ロマーナ 岡本芙美子
私たち火曜日勉強会は、2週に渡り山中神父様にご指導を頂きました。「特別編」として聖書に関する質問に答えて頂きながら、福音書を比較考察する貴重な機会となりました。
初回は「ご復活のイエス様は誰と最初に出会ったか」をテーマに掘り下げました。それぞれの福音書のご復活の場面を丁寧に読んでいくと、実は福音書によって、最初に出会った相手が違っています。ご復活の場面は「空の墓の物語」と「顕現物語」に分かれていて、福音記者の意図によって、例えばルカ福音書では、最初に現れたのは、「本当に主は復活して、シモン(ペトロ)に現れた(24章34節)」と記されています。私たちはつい、今まで読み聞きした知識をもとに聖書を解釈してしまいがちですが、客観的に、バイアスを持たずに読むことで、同じご復活の場面でも、描かれ方が異なっていることに気づくことが出来、新鮮な気持ちで読むことが出来ました。
翌週の勉強会では、教会学校の子どもたちに紹介したいたとえ話、としてマタイ福音書18章21節からの「仲間を赦さない家来」のたとえを考察しました。家来の莫大な借金を赦した主君と、仲間のわずかな借金を赦さない家来、両者の違いは相手を「憐れんで」いたかどうかにあります。「憐れみ」はギリシア語でsplangchnizomaiと言い、内臓がねじれ動くほどに相手に共感する、という意味なんだそうです。主君はもちろん、神様をたとえており、これほどまでに深く神様が私たちに寄り添って下さるのだと聖書の言葉は教えてくれています。自分が深く赦されていることに気づけば、相手を赦すことができる。それはすなわち、「私たちは神様に愛されている。だから私たちも互いに愛することが出来る」ということ。分断、争いの多い今だからこそ、神様の憐れみに気づき、私たちも倣うことができますように。
一般的な物語は一度読んでしまうと、最初に読んだ時と同じ感動を味わえなくなってしまいますが、聖書はいつでも新しい発見があります。先入観で読むのではなく、一つ一つの言葉を味わい、聖書の物語の中に自ら入っていき黙想することが出来れば、私たちは一層深く聖書を味わうことが出来る、と学びの多い時間でした。
山中神父様、ご指導くださり、ありがとうございました。また勉強会、黙想指導でお会いできるのを楽しみにしています。
マザーテレサの祈り
兄弟姉妹の中にあなたを
主よ、私たちの目が
兄弟姉妹の中にあなたを見いだしますように。
主よ、私たちの耳が
苦しむ人々の叫びを聞き取りますように。
飢えと寒さ、恐怖と抑圧に
さいなまれる人々の嘆願を。
主よ、私たちの心が
互いに愛し合うことを学びますように
あなたが私たちを愛されたその同じ愛で。
主よ、あなたの“霊”を
今日も私たちにお与えください。
あなたの名において
私たちが一つの心
一つの魂となれますように。アーメン
行事予定
ロザリオの月
※ 毎週土曜日9:00から「ロザリオの祈り」をいたします。
10/05(日) 年間第27主日 ミサ9:30
10/11(土) 教会委員会 ミサ後
10/12(日) 年間第28主日 ミサ9:30
10/17(金) 教区召命合同祈りの集い
(細江教会)
10/19(日) 年間第29主日 ミサ9:30
ベトナム語のミサ 13:00
10/25(土) 10月命日の方のミサ 9:30
10/26(日) 年間第30主日 ミサ9:30
お 知 ら せ
◆教会学校オータムキャンプ
10/12(日)~13(月・祝)
暑い夏を避けて、秋に行われるようになりました。徳地少年自然の家にて、自然の中で思いっきり体を動かして皆と協力することの大切さや親睦を深めます。
◆カトリック堺教会巡礼団来防 10/17(金)
聖年の今年、フランシスコ・サビエルの足取りをたどって、堺教会の巡礼団が防府教会に立ち寄り16:00からミサを捧げられます。
◆帰 天
お祈りください。
9月15日
ファタ・フランチェスコ
命 日
主よ、永遠の安息を彼らにお与えください
3日 | 8年目 | ヨセフ | 針間 照正 |
5日 | 19年目 | マリア・ルルド | 清水 ヨシエ |
6日 | 29年目 | カタリナ | 向井 斉子 |
6日 | 22年目 | ヨゼフ | 中野 進男 |
8日 | 33年目 | マリア | 多田 ミヨ |
8日 | 35年目 | 河合 平世 | |
10日 | 17年目 | フランシスコ・アシジ | 佐鹿 恵望 |
10日 | 66年目 | イグナチオ | 渡辺 俊治 |
11日 | 2年目 | Sr.テレシタ | バルデス・サラサ |
15日 | 44年目 | カロル | 徳永 福二 |
17日 | 40年目 | ヨゼフ | 藤山 一三 |
17日 | 2年目 | マリア・テレジア | 川岡 葉子 |
22日 | 76年目 | マリア・テレジア | 荒瀬 ちえりな |
24日 | 28年目 | モニカ | 永見 セツ |
24日 | 20年目 | エリザベット・カタリナ | 横山 英子 |
25日 | 15年目 | インマクラタ | 星出 アヤメ |
26日 | 4年目 | クララ | 国元 幾子 |