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教会だより2024年8月号

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防府カトリック教会

ふたつの呼びかけ
聖イグナチオの心の闘いから

フランシスコ・サビエル 外川 直見 神父

防府カトリック教会
聖イグナチオ・ロヨラ

 ある学校で先生方有志の黙想会でのことです。夕食の後、分かち合いがありました。ある先生が 「悪魔って本当にいるのかな。この頃は教会も天使や悪魔の話をしないよね。」と言いました。しばらくして、ある先生が「いやあ、いると思うね。生徒たちは皆いい奴らなのにさぼったり問題行動をしたり、私ら教師もちゃんと生徒に付き合っていこうと思っているのに、カッとなったり手抜きをしたりする。生徒も教師も心と生活を悪い方へ引きこまれている。人間よりもずっと悪くて、ずっと力の強いものがいて、悪い方へ引きずられるのだよ。」と言いました。そして「だけど、神の力か天使の力か知らないけれど、悪い力よりずっと強い力で引き上げてもらっている。だから頑張れるのだろう。」と付け加えました。
 7月31日はイエズス会の創立者、聖イグナチオ・ロヨラ の祝日です。彼はスペインのバスク地方、ロヨラ城で12人の兄弟の末弟として生まれました。成長して軍人となりましたが、29歳の時にパ ンプローナの戦いで足に重傷を負いました。二度にわたる手術を受け、長い療養生活を城内で送りました。病床で好きな騎士道物語の本を読みたいと思いましたが城内になく、そこにはキリスト伝か聖人伝しかありませんでした。読み始めてもあまり興味がわかず、すぐに本を閉じてしまいました。そして、昔読んだ騎士物語を思い返し、元気になったら軍功を立てて高貴なある婦人に捧げようと繰り返し思い浮かべていました。そのうちに、聖人伝にも少しは興味が出てきて、そんな時には「聖フランシスコや聖ドミニコがこんな苦行をしたけれど私ならどうしようか」と思いめぐらすようになりました。心の中はこの二つの想いが行き来するのでした。ずいぶんして、この二つの想いの間に違いがあることに気が付きました。  世俗的なことを考えている時は大きな楽しみを感じましたが、それに飽きてしまうとうら寂しさと不満が心の中を襲ってきました。けれども、聖人のように何か苦行をしたり、キリストに何か奉仕ができないかなどと考えるときには、慰めを感じるばかりでなく考えを止めた後も心が満足感に満たされるのでした。彼は心の中のふたつの動きを注意して見つめました。彼はその後、キリストに生涯を捧げる中で、心の中の動きに善い霊の呼びかけと悪い霊の呼びかけがあること、心と生活はこの両者の呼びかけの戦いの場であることを深く理解しました。それはキリストからのチャレンジであり、悪霊からの誘惑でした。私たちの心も、キリストの呼びかけと悪霊の呼びかけを聞いています。キリストの声をどのように聴くか、その声にどのように応えるか、問われている毎日です。敏感になりましょう。

「ジュリアおたあ」の直筆書状発見

ジュリア 藤井 美恵子

防府カトリック教会

 昨年春、遠藤周作愛読者にとっては大変興味深いニュースがあった。豊臣秀吉の朝鮮出兵で朝鮮半島から連れてこられ、徳川家康に仕えたが、棄教を拒んで流刑となったキリシタン女性「ジュリアおたあ」の直昨年春、遠藤周作愛読者にとっては大変興味深いニュースがあった。豊臣秀吉の朝鮮出兵で朝鮮半島から連れてこられ、徳川家康に仕えたが、棄教を拒んで流刑となったキリシタン女性「ジュリアおたあ」の直書状は、ジュリアおたあの弟の子孫で旧長州藩士の村田家に伝わったもので3通あり、寄贈を受けた萩博物館(萩市)で公開された。このニュースは、NHK山口のローカルニュースでたびたび放送されたほか朝日新聞の山口版でも大きく取り上げられた。また後日、朝日新聞の天声人語でも書かれた。(2023年6月8日付)昨年5月4日、萩博物館において「長州萩藩士が伝えた徳川家康の小袖」の題で、学習院女子大学の福島雅子准教授が講演されるというので聞きに行ってきた。 書状の1通は、1609年に書かれたもので、ジュリアおたあが朝鮮半島で生き別れになった弟とよく似た人物が毛利家にいると聞き及んでその消息を尋ねる内容である。文禄・慶 長の役の頃には「たあ」は13才、弟は5~6才であり、「弟の手の甲には青いあざがあり、ももの辺りにも柿色のあざが浮かんでいた。毛利家にいる「かうらいの御人」がその弟ではないのか」という内容の書状である。 「萩藩士村田家 家系図」によると、村田安政(むらたうんなき)の父は済運大軍節度使の 金世王温(キムセイオウウン)、母は乙君時(オツクンシ)であり、済運大軍節度使という 役職は貴族階級である。おたあは金夫妻の次女で、ほかに5人の兄弟姉妹がいた。 『萩藩閥閲録』によると、その後おたあの弟と考えられる村田家初代にあたる村田安政は、 おたあの手引きで駿河に呼び寄せられ、徳川家康より「靑之御馬」「御腰物信國」「葵御紋付之御服」を拝領した。  公開されたおたあの書状は、実に流麗で美しく、高い教養をうかがわせるものであった。 また、葵紋付の小袖は白練緯地(しろねりぬきじ)に黄色と紫の鮮やかな亀甲模様であった。 徳川家初期の葵紋が5か所にあり、実際に家康が使っていた可能性が高いというものであった。村田家で代々駿府御分物(すんぷおわけもの)の家宝として大事に畳紙(たとうがみ)に保管されてきた小袖と文書である。それにしても、直々に家康から安政が馬や刀や葵紋付の衣服を拝領するとは、家康とおたあの関係はどれほど親しかったのかという疑問が私に起きた。この点に関しては、福島准教授は「すでにキリスト教関係者からの問い合わせをいろいろいただいている。今後の研究が待たれます」とおっしゃっていた。
 作家の植松三十里氏によると、ジュリアおたあは、家康の死の前後には遠島を解かれて本土に戻ったといわれている。その後は長崎で暮らした後、大阪に移り、それを最後に消息が途切れる。遠藤周作は『ユリアとよぶ女』で、はかなげで運命をあきらめて受け入れているかに見えたユリアが、実はしっかりと気丈に信仰を持ち続けていたということを強調して書いた。今回の書状発見で400年以上たって、生身のジュリアおたあの姿があざやかによみがえってきた感がある。短編小説『ユリアとよぶ女』で私のジュリアおたあに対するイメージは半ば固定されていたが、新たな書状の発見で、ジュリアおたあは、私の中でふくよかな女性となって生まれ変わった。

『祈りと学びで信仰を深める』

岡本 芙美子

防府カトリック教会

 開講当初より、外川神父様の入門講座(昼の部)を受講させて頂いています。これまでにも聖書を知りたい、と福音書を読んだことがありましたが、言葉を追うだけで本質を理解できていませんでした。神父様は、未受洗の私にも分かりやすい言葉で、関連するエピソードを交えて説明して下さり、「この言葉に重要なメッセージが隠されていたなんて」と新しい視点で、今まで読み流していた聖書箇所を読み解くことが出来、神様からのメッセージが、2000年の時を経た今も私たちの心の糧となっていることに深く感動しています。
 特に印象的だったのは、山上の説教について学んだ際、「心の貧しい人とは、自分の心の乏しさに気づき、その乏しい所に神様の入る余白のある人」と教えて頂いたことです。有名な箇所ですが、なぜ「心の貧しい人」が幸いなのだろうと深く考えて読んだことはありませんでした。自分の心を、世俗の誘惑でいっぱいにすることなく、神様に心を向け、「余白」を大切にできる人でありたいです。7月15日には、石川さんのご紹介で、長束修道院の日帰り黙想会に参加しました。ミサの中で「祈りましょう」と沈黙する際、どう祈ったらいいのだろう、と思っていましたが、住田神父様のご指導の下、黙想と祈りを体験しました。祈りは頭(理性)、体と心の全てを必要とすること、雑念にとらわれて、祈りの対象である神様を見失いそうな時は、体、具体的には自分の表情の変化、呼吸をするときの鼻腔の感覚など、細かな変化に意識を向けるようにとアドバイスを頂きました。静かな空間で、目を閉じ、自分の呼吸に意識を持っていくと、小鳥のさえずりや、木々の香りの中に神様の造られた世界の神秘を感じ、その中に生きる自分もまた、神様に愛され、造られた存在であることに感謝の祈りを捧げることができました。まだまだ未熟ですが、祈りとは何かをわずかながら感じることができたように思います。
 これからも聖書の言葉に励まされ、学びを深め、祈りの中で神様と出会い、信仰を深めることができますように。

8月勉強会の予定

●聖書を学ぶルカ福音書 ●                 

昼の部 8月7日 10:00                

夜の部  8月1日・ 8日(木) 18:30

● キリスト教入門●

夏休みです

行事予定

行事予定

8/ 4(日) 年間第18主日 ミサ9:30

8/ 5(月) 教区平和行事:幟町 13:00

8/11(日) 年間第19主日 ミサ9:30

 追悼ミサ

    英語のミサ 14:30

8/15(木) 聖母の被昇天 ミサ9:30

8/18(日) 年間第20主日 ミサ9:30

     ベトナム語のミサ 14:00

8/24(土) 8月命日の方々のためのミサ9:30

8/25(日) 年間第21主日 ミサ9:30

「2024年祈りの年」聖年に向けた準備のために

 教皇フランシスコは、2025年の聖年の準備として、2024年を「祈りの年」と宣言しました(2024年1月21日)。その意図について教皇は「個人の生活、教会生活、この世界で生きる中で、祈りの大きな価値と絶対的必要性を再発見するための年になります」と説明しています。

 わたしたち信者の生涯養成の場である典礼活動への積極的な参加のためには、日々の生活におけるわたしたちの個人的な祈りが、そのための素晴らしい準備となります。一日5分でも、祈りの習慣を身につけましょう。教区創立100周年を記念して発行された『信徒手帳』をそのために活用していただけるなら幸いです。(教区報№137 より)

お 知 ら せ

◆8/14(水) 侍者練成会

 日頃からミサで奉仕している防府教会の子供たちを対象に、神父様とともに侍者の心得やミサでの動きなどを勉強します。

◆外川神父様黙想 

 外川神父様は、8/27~9/5まで個人黙想のためお留守です。その間イエズス会の山中大樹神父様が来てくださいます。

◆ミニ図書を活用しましょう!!

 会館の片隅に小さな図書があります。休憩の時や、時間待ちの時など、どうぞご利用ください。入れてほしい本がありましたら、図書係にお知らせください。

命 日

主よ、永遠の安息を彼らにお与えください

1日36年目ペトロ浴野 照秋
2日41年目中村 隆一
5日20年目ヨセフ山田 政俊
9日10年目Fr父路門フランソワ
12日19年目アルフォンソ星出 喜由
12日18年目マリア中村 佐和子
15日54年目Frドメンザイン
15日55年目マリアアロイジオ今川 タケ
16日20年目アルベルト後藤 和也
18日48年目エルセビウス松崎 軍治
19日3年目マリア針間 冨貴江
20日14年目イエス柴崎 有明
20日12年目カタリナ岡村 桂子
22日2年目マリア・ジョアンナ古城 和枝
22日8年目Sr.マリア・マグダレナ桜井 康子
24日26年目アンナ上田 節子
24日6年目レオナルド小川 靖典
25日12年目Srアンパロ・マテウ
25日9年目セシリア岡田 美智子
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